家族全員が日常的に使用する玄関ドアは、汚れや傷が付きやすく、雨や紫外線などによる経年劣化も避けられないため、定期的な塗装・メンテナンスが必要です。
ドアの種類や劣化状況によっては数十万円もの費用がかかる工事となるため、「自分で塗装したい」という方もいるかもしれませんが、ドア塗装のDIYは基本的におすすめしません。
本記事では、玄関ドア塗装のDIYをおすすめしない理由や、ドアの種類や費用相場などの基礎知識を解説します。
具体的な塗装手順や自分でできるメンテナンス方法も解説していますので、玄関ドアの塗装を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
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玄関ドアの塗装は自分でできる?DIYをおすすめしない理由
結論から言うと、玄関ドアの塗装をDIYで行うのは基本的におすすめしません。
というのも、玄関ドアの塗装工事はイメージよりも遥かに難しく、外壁や屋根の塗装よりもさらに高度な技術と専門的な知識が不可欠だからです。
素材によっては専門業者でも断られる場合もあるほどなので、外壁塗装のDIY経験がある方でも納得のいく仕上がりにするのは難しいでしょう。
たしかにDIYなら初期費用を節約できますが、施工後すぐに塗装が剥がれたり施工ミスが発覚したりすれば、さらなる負担となって結果的に業者と変わらないコストがかかってしまい本末転倒です。
以上のことから、どうしてもDIYで塗装したい方以外は、最初から業者に依頼することを強くおすすめします。なお、依頼する業者を選ぶ際は、ドア塗装の施工実績に注目して選ぶと、価格・質ともに納得のいく施工が期待できます。
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玄関ドアの塗装について知っておくべき基礎知識
ここからは、玄関ドアを塗装する際に、まず知っておくべき3つの基礎知識を解説します。
- 塗装できる玄関ドアの種類
- 玄関ドアを塗装するタイミング・周期
- 専門業者に依頼した場合の塗装費用
これら3つのポイントをしっかりと押さえて、自宅の玄関ドアに適切な塗装を施しましょう。
塗装できる玄関ドアの種類
一般的な住宅の玄関ドアは、大きく「木製」と「金属製(アルミ製)」の2種類に分けられます。
木製の玄関ドアは、スギ・ヒノキ・マツなどの素材を活かした温かみのあるデザインが特徴的。対して金属製の玄関ドアは、アルミ・鉄・ステンレス・スチールなど様々な種類がありますが、一般的な住宅ではほとんどアルミ製のドアが使われています。
玄関ドアの種類 | メリット | デメリット |
木製 | ・軽い・断熱性が高い・温かみのあるデザイン | ・耐久性が低い・こまめなメンテナンスが不可欠 |
金属製(アルミ製) | ・防火性・耐久性が高い・メンテナンスが容易・色・デザインが種類豊富・軽い(アルミ製のみ)・サビに強い(アルミ製のみ) | ・断熱性が低い・重い(アルミ製以外)・高度な塗装技術を要する(アルミ製のみ) |
特にアルミ製玄関ドアの塗装は難しいと言われており、ドア塗装に慣れている職人でなければ適切な施工はできません。
外壁・屋根塗装のプロであっても、ドア塗装の実績がない職人では良質な塗装は期待できないため、業者に依頼する場合は施工実績に注目して選ぶのがポイントです。
玄関ドアを塗装するタイミング・周期
玄関ドアの塗装は、木製・金属製ごとに以下のタイミング・周期で行うのが一般的です。
玄関ドアの種類 | 塗装周期の目安 |
木製 | 5〜10年周期 |
アルミ製(金属製) | 10〜15年周期 |
ただし、ドアの素材や使用している塗料、玄関の方角や周辺環境などによっても異なるため、あくまで目安として参考にしてください。
また、玄関ドアの劣化状況次第では、上記の周期よりも早いタイミングで塗装が必要になります。特に以下のような劣化が見られる場合は、早期に塗装を検討すべきでしょう。
【塗装を検討すべき劣化のサイン】
- 全体的な色あせ・艶あせ
- 塗膜の剥がれ・ひび割れ
- 金属のサビ・木の腐食
- ドア本体の大きな傷・割れ
劣化があまりにひどい場合は、ドア交換やドア枠ごと交換するリフォーム工事が必要になります。工事が大掛かりになるほど補修費用も増加するため、なるべく早めの塗装・補修を心がけましょう。
専門業者に依頼した場合の塗装費用
専門業者に塗装を依頼した場合にかかる費用相場は、玄関ドアの種類によって以下のように異なります。
玄関ドアの種類 | 費用相場(1枚あたり) |
木製 | 5〜15万円 |
金属製(アルミ以外) | 5〜10万円 |
アルミ製 | 5〜20万円 |
玄関ドアの塗装費用は、基本的に木製よりも金属製のほうが安い傾向にありますが、アルミ製ドアに関しては特に高度な技術を要するため、木製ドアよりもさらに高額になります。
また、塗装で対応できないほど劣化が進んでいる場合は、ドア交換などのリフォーム工事も検討しましょう。リフォームにかかる費用相場は以下のとおりです。
【玄関ドアのリフォーム費用】
- ドア枠ごと交換:30〜50万円
- ドアのみ交換(カバー工法):15〜40万円
なお、塗装やリフォームの費用相場はあくまで目安となっており、ドアの大きさや劣化状況によっても変動します。より正確な費用が知りたい場合は、複数業者に見積もりを依頼して、自宅の玄関ドアにかかる費用を算出してもらいましょう。
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玄関ドア塗装の作業工程・DIY手順【木製・アルミ製】
ここでは、代表的な玄関ドアである木製・アルミ製2種類の塗装手順を解説します。
- 木製玄関ドアの塗装手順
- アルミ製玄関ドアの塗装手順
工程ごとの作業内容や塗装のポイントなども紹介していますので、DIYや業者の見積もりを比較する際の参考にご覧ください。
木製玄関ドアの塗装手順
木製玄関ドアの塗装は、基本的に以下の7工程で行います。
塗装工程 | 作業内容 |
1.養生 | 養生シートやマスキングテープを貼り付けて、塗料垂れや飛散を防ぐ作業。 |
2.ケレン作業 | 紙やすりや電動サンダーを用いて古い塗膜を除去し、新しい塗料のノリを良くするための作業。 |
3.ゴミの除去 | ドア表面のゴミや汚れ、ケレン作業で出た木粉などを取り除く作業。ハケや雑巾で丁寧に落としましょう。 |
4.色付け(下塗り) | 「浸透型塗料」または「造膜型塗料」を用いて、ドアに色付けする下塗り作業。ハケで丁寧に塗布し、色あせが激しい部分は2回に分けて塗装します。 |
5.中塗り | 木の風合いを活かせる無色透明の「クリア塗料」を用いて行う、ドアを保護するための塗装作業。下塗りがしっかり乾燥した後、ハケを使って丁寧に塗装します。 |
6.ペーパー掛け | 塗装表面を紙やすりで研磨し、より滑らかな仕上がりにするための作業。中塗りがしっかり乾燥した後に行います。 |
7.上塗り | 塗装を均一にするための仕上げ作業。中塗りと同じクリア塗料を再度塗ることで、ムラのない均一な仕上がりになります。 |
特筆すべきポイントとして、下塗り塗料には木材に染み込ませる「浸透型塗料」と、表面を塗膜で覆う「造膜型塗料」の2種類がありますが、木の風合いや質感を活かしたいなら浸透型塗料を選びましょう。
また、塗装する際にローラーやスプレーではなく、ハケを用いて丁寧に塗ることで、木目を潰さずきれいに仕上げることが可能です。
アルミ製玄関ドアの塗装手順
アルミ製玄関ドアの塗装は、基本的に以下の6工程で行います。
塗装工程 | 作業内容 |
1.養生 | 養生シートやマスキングテープを貼り付けて、塗料垂れや飛散を防ぐ作業。 |
2.ケレン・目荒らし | 紙やすりや電動サンダーを用いて古い塗膜を除去し、新しい塗料の密着性を高めるために、表面をザラザラにする作業。 |
3.ゴミの除去 | ドア表面の汚れやホコリ、ケレン作業で出たゴミなどを取り除く作業。ハケや雑巾で丁寧に落としましょう。 |
4.下塗り | ドアと上塗り塗料の密着性を高めるプライマーを塗布する作業。ローラーや吹き付け工法で均一に塗布します。 |
5.中塗り | 任意の塗料を用い、ドアを保護するための塗装作業。下塗りがしっかり乾燥した後、「強溶剤塗料」を用いた吹き付け工法で丁寧に塗装します。 |
6.上塗り | 塗装を均一にするための仕上げ作業。中塗りがしっかり乾燥した後、再度同じ塗料を塗ることで、ムラのない美しい仕上がりになります。 |
アルミ製の玄関ドアは、木製やその他金属製のドアと比べて、塗料が密着しにくい性質を持っています。その弱点をカバーし、しっかりと耐久性を確保するために、強溶剤塗料を吹き付け工法で塗装するのが一般的です。
吹き付け工法は、ローラーやハケを使用した手塗りよりも高度な技術を要するため、外壁や屋根の塗装業者に相談しても断られてしまうケースも珍しくありません。当然ですが、専門的な知識・技術がない方は、DIYも避けたほうが無難です。
業者に依頼する際は、アルミ製ドアの施工実績に注目して選ぶと、価格・質ともに納得のいく施工が期待できます。
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玄関ドアの塗装に関するよくある質問
ここからは、玄関ドアの塗装に関する、以下2つの疑問にお答えします。
- マンションの玄関ドアは塗装してもいい?
- 自分でできる玄関ドアのメンテナンス方法は?
Q1.マンションの玄関ドアは塗装してもいい?
マンションでの玄関ドアの塗装可否は、以下のように決められています。
- 玄関外側:共有部分のため塗装禁止
- 玄関内側:専有部分のため自由に塗装可能
ただし、塗装できるのは、自分に所有権がある分譲住宅の場合に限ります。賃貸住宅の場合は、玄関内側であっても個人の意志で自由に塗装することはできないためご注意ください。
Q2.自分でできる玄関ドアのメンテナンス方法は?
玄関ドアの塗装を長期的に美しく保つためには、こまめなメンテナンスを心がけ、劣化進行を遅らせることが重要になります。
自分でできる手軽なメンテナンスとしては、木製・金属製ごとに以下の方法が有効です。
- 木製:乾拭き→ドア用ワックスの塗布
- 金属製:濡れ拭き→乾拭き
特に木製ドアは雨や湿気で劣化しやすいため、日頃から乾拭きを行って乾燥した状態を保ちましょう。乾拭き後にドア用ワックスを掛けておくと、より効果的にドアを保護できます。
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玄関ドアの塗装は実績豊富な優良業者に依頼しよう
本記事では、玄関ドア塗装のDIYをおすすめしない理由や、ドアの種類や費用相場、具体的な塗装手順などを解説しました。
玄関ドアの塗装は、家の見た目や印象を大きく左右する重要な工事です。DIYで納得のいく質に仕上げるのは困難ですが、たしかな技術と豊富な経験を持つプロに依頼すれば、美しい仕上がりと長期的な耐久性、将来的なメンテナンス費用・手間の削減にも期待できます。
なお、業者選びの際には、見積もり料金だけでなく、玄関ドアの施工実績や評判なども考慮して慎重に選ぶことが大切です。満足度の高い工事にするためにも、かならず複数業者の見積もりを比較し、より信頼できる優良業者に依頼しましょう。
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