延床面積35坪の住宅で外壁塗装を依頼する場合、85万円〜135万円の費用相場が目安になります。外壁塗装の費用内訳には、塗料の材料費や人件費、足場代などが含まれ、建物の階数や形状などの塗装面積によって費用が変動することがあります。
今回の記事では、35坪で外壁塗装を依頼した場合の費用相場について、料金の内訳や変動する条件、できるだけ安く工事を依頼する方法などとともにご紹介します。
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35坪の外壁塗装の費用相場は85万円~135万円
延床面積35坪の住宅では、外壁塗装の費用は85万円〜135万円が相場となっています。費用相場に開きがあるのは、使用する塗料の種類や塗装面積によって、費用が変動するケースが多いことが理由です。たとえば外壁塗装で最も安価なアクリル塗料の場合、35坪で60万円〜で依頼することも可能です。一方で、機能性に優れた無機塗料を使用した場合は、35坪で130万円以上の見積もりとなることもあります。
また、同じ35坪の住宅でも、建物の階数や形状(正方形や長方形に近いかどうか)、外壁の補修を必要とするかどうかによっても金額は上下します。金額が変動する条件について詳しくは後述しますが、より正確な外壁塗装費用を知りたい場合には、専門知識を持った業者に現地調査を依頼し、見積書を作成してもらうのが確実です。
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関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ
35坪の外壁塗装の費用内訳
35坪の外壁塗装費用の相場である85万円〜135万円の費用には、以下のような費用が含まれています。
- 塗料代
- 人件費・工事費
- 足場代
- その他の費用
それぞれの費用がどのような工事に使われるのか、目安となる金額はどのくらいなのかを詳しくご紹介しましょう。
塗料代
外壁塗装費用の約20%〜30%を占めるのが、使用する塗料の代金です。外壁塗装では使用する塗料の種類によって、おおまかな費用相場が平米あたりの単価で決まっています。
種類 | 耐用年数 | m2あたり費用相場 |
アクリル塗料 | 約5年~8年 | 約1,000円~1,800円 |
ウレタン塗料 | 約8年~10年 | 約1,700円~2,500円 |
シリコン塗料 | 約10年~15年 | 約2,100円~3,500円 |
ラジカル塗料 | 約8年~16年 | 約2,200円~4,000円 |
フッ素塗料 | 約15年~20年 | 約2,000円~5,000円 |
セラミック塗料 | 約10年~25年 | 約3,500円~5,000円 |
無機塗料 | 約20年~25年 | 約3,500円~5,500円 |
上記の表にある通り、耐用年数が長く寿命が長い塗料ほど、平米あたりの費用相場が高額になる傾向があります。この費用相場に対して、塗装面積を掛けて塗料代が計算されるため、塗装面積が広い住宅ほど塗料代が高額になる傾向があります。
近年の主流としては、「ウレタン塗料」「フッ素塗料」を選ぶ方が多く、人気が高い塗料となっています。塗料の種類やメーカーによって、耐久性や機能性が大きく異なるため、塗装業者と相談しながら自宅に最適な塗料を選ぶことがポイントです。
なお、それぞれの塗料の特徴について詳しくは、下記のページもチェックしてみてください。
関連記事:外壁塗装の塗料4種類の選び方を解説!相場・耐用年数から最適な塗料を選ぼう
人件費・工事費
外壁塗装工事を行う職人の方の人件費や、外壁の養生・補修などにかかる工事費は、費用全体の約30%を占めます。塗料代と同様に、費用相場は養生を行う面積や補修を行う箇所によって、費用単価をもとに計算されます。主な工事費用の内訳には、下記が挙げられます。
作業内容 | 費用相場 |
飛散防止ネット | 150円~400円/m2 |
養生 | 200円~300円/m2 |
高圧洗浄 | 250円〜450円/m2 |
シーリング(打ち換え) | 700円~1,500円/m |
シーリング(増し打ち) | 500円~1,000円/m |
軒天(軒裏) | 800円~1,600円/m2 |
雨どい | 800円~1,800円/m |
雨戸 | 2,000円~4,000円/枚 |
廃棄物処理 | 10,000円~30,000円/式 |
下地の補修やシーリングが含まれる工事となる場合、費用相場よりもやや高額になる傾向があるためご注意ください。また、外壁塗装と同時に屋根塗装を依頼する場合にも、約20万円〜40万円の追加料金が発生します。
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足場代
足場代は、職人の方々が安全に外壁塗装を行うために欠かせない費用であり、費用全体の約20%を占めます。足場代は、足場を組む設置面積に対して、約800円〜1,200円/m2の平米単価を掛けて求めることが一般的です。足場の設置は、住宅の外周に沿ってゆとりを持たせながら行われるため、塗装面積の1.3倍の広さで計算することが多いです。
なお、外壁塗装業者の中には「足場代無料」というキャンペーンを打ち出すことで、格安工事をアピールするケースがあります。しかし足場代は安全な工事のために不可欠であり、本来は無料にできる費用ではありません。そのため、塗料代や人件費・工事費などに見えない形で上乗せされているか、塗料を塗る回数が減らされるなどの手抜き工事が行われる可能性があるため、契約には十分注意が必要です。
関連記事:足場費用の相場はいくら?外壁・屋根リフォームに必要な足場代の適正価格
その他の費用
上記の費用に分類されない費用として、各種申請のための事務手数料や交通費・駐車場代などが「諸経費」「その他」といった項目で計上されます。費用全体の約2割〜3割ほどを占める費用で、工事の規模によっては金額も高額になるため、詳しい内訳を知りたい場合には塗装業者に問い合わせてみると安心です。
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35坪の外壁塗装の費用相場が変動する条件
延床面積35坪の住宅での外壁塗装は、以下のような要素によって費用相場が変動することがあります。
- 建物の階数(塗装面積)
- 建物の形状
- 建物の築年数
- 使用する塗料のグレード
- 屋根塗装の有無
同じ規模の住宅でもなぜ外壁塗装費用が異なるケースがあるのか、それぞれの条件を詳しく解説しながらご説明します。
建物の階数(塗装面積)
同じ35坪の住宅でも、平屋なのか2階建てなのかによって、外壁塗装の費用は変動します。平屋であれば設置する足場の高さが低く済むことや、作業日数が少なく職人の時間を拘束しないことから、2階建ての住宅よりも費用が安くなる傾向にあります。窓や玄関の面積が広く、塗装が必要な外壁の面積が狭い場合にも、費用相場を下回る見積もり金額となるでしょう。
建物の形状
外壁塗装費用は、塗装工事の手間がかからない正方形・長方形に近い建物ほど安く、凹凸が多くデザイン性を重視した建物ほど高くなる傾向があります。足場の設置面積が広くなったり、工事期間が延びて人件費が上乗せされることがその理由です。もし自宅の外観が複雑な形をしている場合には、正確な費用を把握するためにも塗装業者の現地調査を依頼することをおすすめします。
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建物の築年数
建物の築年数が長い住宅ほど、外壁の劣化が激しく補修が必要になる可能性があるほか、外壁の張り替え工事が必要となるケースもあるため、一般的な相場よりも高額になります。10年〜20年ほどの塗料の寿命に合わせ、定期的な外壁塗装を行っている場合には問題ありませんが、劣化した外壁をそのまま放置していると、一度の外壁塗装で発生する費用が高額になるため注意が必要です。
関連記事:外壁塗装の耐用年数は10〜20年が限度!寿命を延ばすコツや劣化症状を解説
使用する塗料のグレード
外壁塗装の費用相場は、使用する塗料のグレードや機能性によっても変動します。特に塗装面積が広い住宅では、塗料を使用する量が多いため、単価の少しの違いが大きな価格差となることも多いです。塗料のグレードを落とすことで見積もり金額を安く抑えることは可能ですが、寿命や耐久性が落ちる点に注意しましょう。
屋根塗装の有無
外壁塗装を依頼する際に、同時に屋根塗装を依頼するかどうかも、見積もり金額が上下する要因です。屋根塗装を同時に依頼する場合には約20万円〜40万円の追加費用が発生しますが、外壁塗装で用いる足場をそのまま使えるので、別々に依頼するよりもトータルコストが安くなります。そのため外壁塗装を依頼する際には屋根の状態もチェックして、同時に塗装するかどうか検討すると良いでしょう。
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関連記事:屋根塗装の相場は40〜80万円が目安!坪数ごとの費用や内訳、安く抑えるコツを紹介
35坪の外壁塗装相場の計算方法
外壁塗装の費用を計算するためには、住宅の外壁面積を計算し、塗料代や人件費などの工事単価を掛けることで、概算を算出することができます。たとえば、35坪の場合の外壁面戦記は、次のように計算します。
- 外壁面積:35坪(115m2)× 係数(1.2)= 138m2
この外壁面積に対して、塗料代や足場代・工事費の平米単価を掛けて計算し、最後に諸経費・その他の費用を加えて総額を計算します。
詳しい計算内容は、塗装業者からの見積書を取り寄せることで確認することが可能です。見積書の見方やチェックポイントについては、下記の記事でもまとめているので合わせてご覧ください。
関連記事:外壁塗装の見積もりは何社取れば良い?見積書のチェックポイントと費用相場を解説
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35坪の外壁塗装費用を安く抑える方法
最後に、35坪の外壁塗装費用をなるべく安く抑えるコツについて解説しましょう。
- 相見積もりを取り寄せて比較する
- 屋根塗装と同時に依頼する
- 火災保険や助成金を申請する
塗料のグレードを落としたり、格安業者を使って手抜き工事のリスクを高めたりすることなく、割安に外壁塗装を依頼するポイントをご紹介します。
相見積もりを取り寄せて比較する
外壁塗装費用を安く抑えるためには、1つの会社の見積もりだけで即決するのではなく、複数の会社の見積もりをとって比較するのが効果的です。2社〜3社の見積もりを取り寄せることにより、同じ塗装面積・同じ塗料の場合で、自宅の外壁塗装費用がどれくらいの価格帯になるのかが把握しやすくなります。
他社の見積もり金額と比べて大幅に安い塗装業者は、手抜き工事等のリスクにつながるため選択肢から外すという判断も下しやすくなります。現地調査を含めた外壁塗装の見積もりには、時間と手間が発生してしまいますが、適正価格で依頼するためにも複数の業者への問い合わせを忘れないようにしましょう。
関連記事:外壁塗装では相見積もりが不可欠!費用を抑えて信頼できる業者を選ぶためのポイント
屋根塗装と同時に依頼する
自宅のメンテナンス費用を長期的に安く抑えるためには、外壁塗装と合わせて屋根塗装を依頼することがおすすめです。一時的に工事費用が高額となってしまいますが、外壁塗装のための足場をそのまま屋根塗装で使用できるなど、別々に依頼するよりも塗装費用を安く抑えることができます。
外壁の劣化によって張り替え工事が発生して費用が高額となるのと同様に、屋根の劣化によって雨漏りが発生すれば建物の内側を痛める結果となります。将来高額な補修費用が発生しないためにも、屋根と塗装との同時施工を検討してみましょう。
関連記事:外壁塗装を安く依頼する12のコツ!費用相場よりも割安に工事するには
火災保険や助成金を申請する
自然災害によって傷んだ住宅の外壁塗装や、お住まいの自治体の助成対象となる外壁塗装工事では、火災保険や助成金によって費用負担を軽減できることがあります。使用する塗料のグレードを落とすことなく、費用負担だけを抑えて外壁塗装を実施できるので、火災保険や助成金が使える場合には積極的に活用しましょう。
ほかにも、お金がなくても外壁塗装を依頼する方法について、下記の記事でまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
関連記事:【2024年版】外壁塗装の助成金・補助金まとめ|申請方法・条件や注意点を解説
関連記事:外壁塗装で火災保険が適用される4つの条件とは?費用を抑えた工事のコツ
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まとめ
35坪の住宅で外壁塗装を依頼する時の費用相場は、85万円〜135万円が目安です。ただし平屋か2階建てか、四角形に近い形か複雑なデザインかなど、さまざまな条件によって費用相場は変動することがあります。そのため正確な外壁塗装費用は、塗装業者の現地調査を依頼し、見積もり金額を算出してもらうと確実です。
使用する塗料のグレードを落としたり手抜き工事のリスクを高めたりすることなく塗装費用を安くするには、複数の業者からの相見積もりを取り寄せることや、火災保険や助成金を活用する方法が挙げられます。長期的なメンテナンスコストを抑えるためには屋根塗装と同時に依頼することも効果的なので、ぜひ検討してみてください。
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