理想の外壁を仕上げるには?仕上塗材の種類や施工法、注意事項を解説

外壁仕上げは家づくりやリフォームを考える際に欠かせない重要なポイントです。外壁は単なる家の「顔」ではなく、耐久性や防水性、断熱性など、建物の性能にも大きく影響を与える要素でもあります。

そこで本記事では外壁の仕上げに使う仕上塗材の基本から、外壁材ごとの特性、デザイン性や費用対効果を踏まえた選び方、理想的な外壁仕上げにするためのポイントについて詳しく解説します。 

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おすすめ記事:外壁デザインの選び方は?おしゃれに仕上げるコツと失敗しない方法を解説

外壁塗装には塗料と仕上塗材の2種類がある

外壁塗装には大きく分けてベースとなる「塗料」と、外壁の顔となる「仕上塗材」の2つがあります。多くの場合、外壁仕上げといえば「仕上塗材」のことを指します。まずはこれら2つの違いについて見ていきましょう。

塗料とは?

塗料は外壁塗装の下地となる塗装です。外壁の表面に薄く塗料を塗り膜を作ることで、保護や着色の役割を果たします。その膜厚はわずか0.01mm程度であり、ベースとなる層となります。塗料には主に次の4つのものがあります。

塗料の種類特徴価格耐用年数
アクリル塗料安価で発色が良い、手軽に使える最も安価4〜7年
ウレタン塗料防水性、耐候性に優れるアクリルより高い6〜10年
シリコン塗料耐候性、耐汚性が高く、長持ち高め8〜15年
フッ素塗料耐候性、耐汚性、耐用年数など全てに優れる最も高い12〜18年

これらの塗料について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

外壁塗装の塗料4種類の選び方を解説!相場・耐用年数から最適な塗料を選ぼう

仕上塗材とは?

塗料に対し、仕上塗材は「上塗り材」とも呼ばれる、塗料の上に重ねて塗る塗装のことを指します。仕上塗材を施すことで建物のデザイン性が向上するだけでなく、塗料を保護し建物の外観や保護性能を高める役割があります。 

なお仕上塗材は厚みのある皮膜を形成し、膜厚は1~2mm程度が一般的です。この厚みのおかげで、外壁への保護機能が向上し、独特のテクスチャーや模様を作り出すことができます。

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外壁材に応じて仕上塗材は変わる

仕上塗材にはさまざまな種類がありますが、どのような仕上塗材を使うか・使えるかは外壁材に大きく左右されます。現在主流の外壁材として挙げられるのが「モルタル塗装」と「サイディングボード」の2つです。外壁仕上げを検討する際は、まず自宅の外壁がどのタイプに該当するのかを確認しましょう。

モルタル外壁

モルタル外壁はセメント・水・砂を混ぜ合わせた素材で構成される外壁です。このタイプの外壁は、職人の手作業で施工されるため、独自の質感やデザインを生み出せるのが特徴です。

1980年代までは日本で最も一般的な外壁でしたが、手塗りが必要で手間がかかることなどを理由に最近では減少傾向にあります。 

モルタル外壁の特徴とは?メリットやデメリット、メンテナンス方法などを一挙紹介

サイディングボード

サイディングボードとは、建物の外壁を覆うパネル状の外装材のことをいいます。現在では最も一般的な外装です。

種類は材質によって分けられ、主に窯業系サイディング、金属系サイディング、木質系サイディング、樹脂系サイディングなどがあります。工場で精密に作ったパネルを使うため、均一な仕上がりを得られる、施工が比較的容易で短期間でできるといったメリットがあります。

外壁サイディングの4種類を徹底解説!耐用年数・費用相場と選び方を紹介

モルタル外壁の仕上げ方法

前述の通り、モルタル外壁とサイディングボードでは外壁仕上げの方法が異なります。代表的な仕上げ方法は使う資材によって異なり、ローラー仕上げ、吹付仕上げ、コテ仕上げが挙げられます。

仕上げ方法使う資材主な種類メリットデメリット
ローラー仕上げローラー・マスチックローラー仕上げ
・ウールローラー仕上げ
・均一な仕上がり
・比較的簡単な施工方法
細部の仕上がりが他の方法に劣る場合がある
吹付仕上げ機械やスプレーガン・リシン仕上げ
・スタッコ仕上げ
・短時間で広範囲を塗装可能
・高級感がある
・専用機材が必要
・コストが高め
コテ仕上げコテ職人の技術により様々な模様が可能・美しいデザインが可能
・バリエーションが多彩
・高度な技術が必要
・技術者が少ない
・施工時間がかかる
・コストが高い

下記からはそれぞれの仕上げ方法の詳細を見ていきましょう。

ローラー仕上げ

ローラー仕上げは、専用のローラーを使用して塗材を塗布する方法です。使用するローラーの種類によって異なる模様を作り出すことができます。ローラー仕上げのメリットとしては、模様によるデザイン性向上、均一な仕上がり、施工も比較的簡単といったこと挙げられます。

デメリットは、細部の仕上がりに関して他の仕上げ方法より劣ることがあります。ローラー仕上げの主なものとしては、マスチックローラーを使ったもの、ウールローラーを使ったものがあります。

  • マスチックローラー仕上げ

スポンジやゴム素材で作られたデコボコのあるローラーを使用して仕上げる方法です。ローラーのデコボコが塗料を塗る際に独特の模様を作り出し、立体感・重厚感のある外観になります。

  • ウールローラー仕上げ

ふわふわ繊維状の素材(主にウールや合成繊維)で覆われたローラーを使った仕上げ方法で、フラットで均一な仕上がりが特徴です。滑らかな表面や繊細な仕上げが必要な場合に適しています。

吹付仕上げ

専用の機械やスプレーガンを使用して、塗料や仕上塗材を壁面に吹き付ける方法です。ローラーや刷毛を使った塗装とは異なり、短時間で広範囲に塗装できるのが大きなメリットです。独特なテクスチャーもあり高級感も感じられます。

一方で、吹き付けるための専門機材が必要であり、コストも高くなります。吹付仕上げの主なものとしては、リシン仕上げ、スタッコ仕上げがあります。

  • リシン仕上げ

砂や石粒を混ぜた塗材を吹き付けて仕上げる方法です。砂粒のような細かなデコボコが特徴で、外壁仕上げとして広く使われています。ナチュラルでシンプルな外観にしたいときにおすすめです。

  • スタッコ仕上げ

リシン仕上げよりも粒子が大きな塗材を使い、吹き付けやコテで仕上げる方法です。粒子が大きく、立体感のある仕上がりになります。厚みがあるため、重厚で高級感を出したいときにおすすめです。

コテ仕上げ

左官職人が手作業でコテを使って塗材を塗りつけて質感やデザインを仕上げる方法です。塗り方のバリエーションも多く、職人技が活きる美しいデザインが可能です。しかし高度な技術を要するため、技術を有する人が少ない、施工に時間がかかる、コストも高いといったデメリットもあります。

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サイディングボードの仕上げ方法

サイディングボードの仕上げ方法には、すでに貼ってあるボードのパターンや素材感を活かす塗装方法が一般的です。代表的な2つの方法を紹介します。 

クリアー塗装

透明な塗料を使用し外壁を塗る方法で、既存のサイディングボードの自然な風合いを維持できるようになります。ただし、既存のボードのヒビやカビなどの汚れや傷を隠しづらいといったデメリットもあります。そのため、まだ汚れや傷の少ない築10年未満の物件に向いています。 

単色塗り・二色塗り

サイディングボードの上に一色、もしくは二色の色のついた塗料を塗る方法です。既存のサイディングボードの色褪せや、傷や汚れが進んだ場合に用いられることが多く、建物全体の美しさを一新させることが可能です。

中でも二色塗りは、ボードの溝の部分と隆起した部分に別々の色、例えば溝に白、隆起した部分に茶色を塗りレンガ作りに見えるようにするなど、立体感をもたらすことができます。ただし単色塗りより高級感がある一方で、手間と技術がかかるためコストが高くなります。

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理想の外壁に仕上げるためのポイントと注意事項

理想の外壁に仕上げるためには、個人の好みはもちろん、外壁材や塗料の種類、施工費用など複数の要素を総合的に考慮する必要があります。また適切な仕上がりを実現するためには、専門業者への相談が欠かせません。後悔のない外壁選びのためにも、以下のポイントを詳しく確認しておきましょう。

周辺環境

まずは家の気候条件をチェックしておきましょう。沿岸部のような塩害リスクの高い地域では、防錆性や防水性に優れた塗料を選ぶ必要があります。一方で寒冷地では断熱性を重視した仕上げがおすすめです。

また周辺の建物や景観に調和したデザインを選ぶことで、地域全体の美観を損なわず、建物の価値を高めることができます。

希望するデザイン、テクスチャーを決める

外壁仕上げにおけるデザインは住宅全体の印象に影響を与える重要な部分です。また塗り直しには膨大な費用がかかるため、失敗できないポイントでもあります。そのためどのようなデザイン、テクスチャーにするかを事前にイメージ・把握しておきましょう。

温かみのあるベージュやブラウン系の色は落ち着いた印象を与え、一方で白やグレー系は現代的でクールな印象になります。また光の反射や影のつき方を考慮し、立体感のある仕上げを選ぶことで、建物の魅力をさらに引き立てることが可能です。一方で下記で解説するメンテナンス頻度と合わせて、太陽光の影響や経年劣化で色が変わる可能性もあることを留意しておきましょう。

外壁材の素材

本記事冒頭でも解説した通り、外壁材にはモルタル塗装やサイディングボード、タイル、ガルバリウム鋼板などさまざまな種類があります。また外壁材に応じて塗装・仕上げ方法は変わります。一般的に1990年代以前のものはモルタル塗装が多く、それ以降はサイディングボードが多くなっています。 

耐久性とメンテナンス性

塗材の種類に応じて耐久年数は異なるため、将来的なメンテナンス費用も考慮しましょう。仕上塗材だけでなく、塗料の種類に応じた耐用年数を把握しておくことも重要です。例えばアクリル塗料はコストが低いものの耐用年数が短く、5~7年程度の再塗装が必要です。一方、シリコン塗料やフッ素塗料は耐用年数が10~20年と長く、長期的なメンテナンス費用を抑えることができます。

施工費用

最後に予算内で選べる塗材かどうかを確認します。仕上塗材の中でも、モルタル塗装ではローラー仕上げは比較的安価、吹付仕上げが次に安く、職人の技が必要なコテ仕上げは高級感がある分、施工費用が高くなります。また下地である塗料に応じても金額は大きく変動します。主要塗料の金額の詳細については、下記の生地も併せてご覧ください。

外壁塗装の塗料を知る|主要な塗料の特徴・単価・耐用年数と選び方を解説

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専門業者の意見を活用し最適な選択を

理想的な外壁を仕上げるためには、多くのポイントを考慮に入れる必要があります。本記事でも解説した通り、5つのポイントを参考にコストと仕上がりのイメージを明確に持つことで、業者にスムーズにオーダーできるようになります。

なお判断がつきかねる場合には、事前に優良業者に相談しましょう。使用する塗材の種類や可能な施工方法、コストについて、専門家の知識と経験を活して、最適な選択が可能になります。

もし現在、信頼のおける業者がいないという場合は相見積もりを取るのがおすすめです。相見積もりを取る際には業界最大級の外壁塗装専門サイト「外壁塗装の窓口」が役立ちます。

全国の優良店の中から見積もりを比較して、希望条件に合う施工店が選択可能です。経験豊富なアドバイザーが無料でサポートいたしますので、ぜひ一度ご相談ください。

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